2015年3月31日火曜日

ビラ(1)本文

私たちは新学事暦導入に反対します

新学事暦の実態
前期課程の学生向けには201481日、後期課程の学生向けには2014929日、平成27年度からの学事暦の変更が発表されました。変更点は、4ターム制の導入と授業時間の変更に大別されます。

4ターム制では、下図のように駒場(教養学部、理学部数学科)と文系学部、本郷の理系学部で異なる授業期間となります。

 このように文理やキャンパスで分断された学事暦では他学部、他学科の聴講が難しくなるでしょう。また、週1コマの授業・週2コマの授業・2ターム連続の授業が混在することになり、時間割が組みづらくなります。分野横断的な学習を妨げる制度は、学際的領域が重要視される現代の研究の現状から乖離しています。
さらに、休業期間が他大学と異なるため、インターンシップや就職活動、課外活動に支障が生じます。

授業時間は現行の90分から105分に変更されます。

授業開始は早く、授業終了は遅くなることで、遠方に住む学生にとっては通学の負担が大きくなり、アルバイトなどにも時間が割けなくなるかもしれません。

導入過程の問題点
このように私たち学生の学習や生活に大きく影響を与える問題であるにもかかわらず、大学側は新学事暦の計画にあたって、学生の意見を取り入れようという姿勢を見せませんでした。学生自治会の意見を聞いたり、個々の学生にアンケートを取ったりするなど、学生生活の実態を反映する方法は多数存在するはずです。それどころか、20137月に行われた役員会で4学期制の実施が決定されたにもかかわらず、新学事暦の詳細な内容を導入の半年前まで学生に発表しませんでした。直前まで実態を知らせず、有無を言わせず導入してしまおうというのが当局の意図ではないでしょうか。
1015日には、駒場で「濱田総長と語る集い」が開かれましたが、決定後の新学事暦の趣旨を学生に説明するものでした。質疑応答での多くの学生による不満の声も制度改善に生かされることはなく、「ガス抜き」でしかありません。
このような大学側の態度は、学生自身が学生生活に関して大学の運営に参加する、学生自治の原則を根本から否定するものです。

新学事暦導入の背景
新学事暦の導入は、濱田総長が当初提唱した秋入学構想の代案として提案されたものです。秋入学自体は、教授会の反対や、社会制度や他大学との足並みが揃わなかったことなどにより導入が見送られましたが、政府は「学事暦の多様化とギャップタームに関する検討会議」を設置し、引き続き支援しています。秋入学や新学事暦の導入に政府の誘導があるのは明らかです。また、秋入学が実現しなかったことに対して、学長の方針が実現しないのは大学のガバナンスの機能不全であり、教授会は「抵抗勢力」であるとの声もありました。中央教育審議会では、「学長のリーダーシップを発揮できる仕組みが必要である」とされています。

来年度から施行される学校教育法と国立大学法人法の改正法では、教授会の役割は大幅に縮小されます。教授会は「重要な事項を審議する」機関から、「学長が決定を行うに当たり意見を述べる」機関とされました。また、教授会が審議する内容は学位の授与や教育課程の編成に限定され、人事や予算等は明記されませんでした。
従来、国立大学は教授会の審議によって運営されてきましたが、2004年の法人化以来、学長へ権限を一極集中させ、政府や財界の意向通りに運営させるという構造に変化しつつあります。このような体制下では、教職員や学生の声を無視した一方的かつ強引な改革が行われ、「大学の自治」は有名無実のものとなります。現場で研究や教育に携わる教職員や学生の意見を無視し、学長と経営執行部が大学の運営を行うのが健全な大学の姿でしょうか。

このまま新学事暦の導入を傍観すれば、当局は学生の実態を無視した改革を加速させます。私たちは、新学事暦の撤回を求めていくとともに、学生や教職員の声を聞いた大学運営を行うよう要求していきます。

画像は「平成27年度に本学に在籍する学生・教職員、並びに本学関係者の皆さんへ」
から引用しました。

201515

新学事暦の導入に反対する学生有志
特定の政治団体とは一切関係ありません。
mail:UTfourterms@gmail.com
twitter:@UTfourterms

0 件のコメント:

コメントを投稿